国際産業 トンプソンM1928A
しかし、このトンプはモデルガンがサブカルチャー化した今では考えられないが、アチコチがカスタマイズされている。
今はモデルガンをオリジナルのまま保管していくのが主流っぽいが、僕ら昭和の小僧達にはそんな保存などという洒落た言葉はなかった。
とにかく自分の知りうる限りの、加工できる限りのカスタマイズして実物に近づけるかが楽しみだった。
形状、グリップ等のアクセサリー、実物パーツ・・・フォルムだけではなくメカニズムや発火性能までいじった。
つまり、モデルガン自体は実物の代替であり、大好きな映画の主人公の持つスーパーウェポンの代替だったのだ。
1. カッツコンペンセイターを付けられてしまった。
2. 実物の軍用タイプのフォアグリップを付けられてしまった。
3. 実物のバットストックを付けられてしまった(しかも英軍タイプ)。
4. もしかしたらだがハドソンの30連マガジンを付けられてしまった。
(MGCの30連はハドソンから買ってMGCブランドで出してたそうな)
まぁ、こんなところだが、フォアグリップやストックを取り付ける為に涙ぐましい努力の痕がうかがえる。
昭和の小僧たちは頑張っていたのだ!
因みに国際産業のトンプには大きく分けて初期型と後期型が確認できる。
以前にレポしたものが初期型でドラムマガジンの取り付けスリットが無く、グリップ/フォアグリップ/ストック等の木製部がTAGのAK47みたいな仏壇仕上げになっている。(レポしたものは僕が入れた・・・涙ぐましい!)
後期型はドラムマガジンのスリットが付けられ(金型を修正したのではなく後加工のようだ)、木部は形状が変わり、仕上げもステイン仕上げで軍用っぽい感じになっている。
今回知ったのだがリコイルスプリングガイドも初期は亜鉛の一体だったが、後期は鉄製になっている。
それと後期型は何故だかボルトフェイスのセンターに穴が開けられた。
初期のモノは折れやすかったのだろうかと思ったが、そんなに発火性能は良くなかったし、たいして撃つ前にバレルが破損したんじゃなかろうか?
当時、破損したバレルを買いに大田区の池上の国際産業の工場まで行った。
一本が3,000円だったような・・・
おまけにアルミのボルトは直ぐに変形するし・・・なんでこんなモン買ったんだと心が折れた。
しかも友人のMGCは軽快に39発の薬莢を弾き出していた・・・呪ったね(笑)
削り合わせてボンドで接着止めしてあるが、かなりしっかりと取り付けられていてグラつき等は無い。
ところでカッツ(cutt)というのは開発者の名前だというのをご存知かな?
米軍の採用したM1928A1には標準装備だったから、取り付けなけりゃならなかったのだ。
因みに発売当時のM1921には標準装備ではない。
その後のオートオーディナンス社カタログには、付いてないもの持っている場合は銃を送って取り付けを依頼していたようだ。
考えてみればMGCのトンプはM1928ではなくM1921なのである。
軍用タイプのフォアグリップを付けるために削り取りねじ穴も数ミリ後ろにずらしている。
残念なことにフォアグリップ・バーの先端部分が破損している。
中央のネジ(シアーピン)で止まっているがバネ性は一切ない。
でもMGCよりマニア心を引くんだよねぇ。
実物はこの下にシリアルが打刻されているが、シリアルの数字の前にAOがあれば本家本元のオートオーディナンス社製だ。
Sが打刻されている場合はサベージ社製である。
部品にもAO/Sの刻印が打刻されている。
因みにM1921は製造数15,000丁すべてCOLT社製である。
実物ではFIRE↔SAFEの刻印がロアレシーバーに打刻されているのだが・・・これはコストの為には仕方ない対処である。
僕もこれにつられて購入を決めたのだ。
当時、僕のバイブルだった「Smoll arms of the world」にあった分解法と同じなのが嬉しかった!
MGCのは六角ネジがレシーバー上面にあったからね。
僕と同じマニアも多いのではないだろうか?
国際ので慣れていたので、その後のCMCや無可動銃なんかではそれほどの感動が無かった。
排莢口の上に傷のようなモノがあるが、何かで傷つけたものではなく素材の亜鉛にムラがあったのか経年変化かは判らない。
クラック等ではないようである。
国際のトンプはブルーイングではなく、各パーツ全て塗装仕上げだ。
ただしディテール的にはMGCのほうが上の気がする。
機械も無いのにどうやって彫ったのは本人も覚えてないらしい。
根気とヤスリだけでコリコリとやったのだろうが、すごい手間だ。
ある意味で水晶ドクロをつくるのと似ている気がする。
とにかく、実物ストックを付けたくて・・・付けた時のことを頭に描きながら一心不乱に削っていったのか・・・
きっと、イっちゃっていたのであろう。
実物の場合はネジ止めではない。
ボルトはアルミ製で軽いが、エキストラクターは鉄の削り出しで豪華だ。
絶対に改造防止とは思えないが、実際は超鋼材が圧入されていたのかもしれない。
そうするとこれは不良品かも?
よく見ると、ボルトフェイスの形状からシングルフィード・タイプのマガジンを使用することが判る。
なかなか凝った作りである。
一応、サイトアパーチャーは上下左右に動かせるのだが・・・リーフを倒した時に使用するVノッチが無い。
あまり紹介される機会のない国際産業製のトンプソンM1928A。
持っていた人は懐かしく、そうでなかった人にも楽しんでいただいただろうか。
見比べたことはないのではっきりは言えないが、この国際製はロッケンの亜鉛製M1928の廉価版(もしくはコピー)なんではないかと思っているのだが・・・
まぁ、今さらド~でもイイことかもしれないか。
皆様に楽しんでいただいたようなので写真を追加しました。
2枚目と4枚目です。
MGCの大きな鉄製カッツコンと実物フォアグリップ/ピストルグリップ/バットストックと実物20/30連マガジン、M3ウェッブスリングを付けています。
印象は変わってるような、じゃないような・・・
でもって本来ブルーイングされてる部分が全部半艶消しの塗装で。
せめて木部と金属部で艶の有る無しを反対にして欲しかったですよ。
それ以外にはあんまり記憶に残ってないすね。1年ぐらいは持ってたんですが。
僕らの間では「仏壇仕上げ」って呼んでましたが他は知りません。
なんともあの茶色というか紫というかキモイ色でした。
傷は付き易いのに全体を剥がそうとすると結構大変で・・・
当時は剥離剤なんて知らんかったからサンぺでゴシゴシ!
テッポウの方はもっと大変でした。
「モデルガン自体は実物の代替であり、大好きな映画の主人公の持つスーパーウェポンの代替だったのだ」というのは、私も全く同じで、いかに実銃に近づけるかに腐心したものでした。しかし、実銃射撃を始めてから、見方がちょっと変わりました。実銃所持と同時にモデルガンの趣味は終わりと思っていたのですが・・・・
これまでライフルを10万発以上撃ちましたが、実銃では正義の味方の妄想が一切広がらないのです。ヒーローの銃ではないから?海外でGMも撃ちましたが、強烈な反動ととてつもない銃声にここでも思考ストップ。スティーブ・マックィーンにもアラン・ドロンにもなれませんでした。
実銃はあくまで道具。以来、目黒のサンマならぬ「映画の主人公になり切るためには、モデルガンに限る」と思いを致すようになったのであります。
当初発売の1970年は18000円だったとか。
MGCの刻印カスタムはネジも下に移してチト心を惹かれたのですが・・・
エジェクターが無くなっていてションボーリ。
松本零時先生の漫画ではネジが書かれてました。
正に仰るとおり実銃では「正義の味方の妄想が一切広がらない」って良く判ります。
それだからこそモデルガンには真実味を持たせたいわけですね。
ウ~ン、妄想族だなぁ。
やはり、オイラの睨んだとおりロッケンだったのですな。
フムフム!
大阪万博でMGCはいくらだったのでしょう。
かれこれ35年以上ぐらいの疑問が一発解決です(忘れてたけど)。
昔六研のガラクタ市でもらった鉄製のボルト、六人部さんはトンプソン用だと言ってたんですが、それがこのブログにあるボルトと全くウリ二つだったことに今、気づきました。
なあ~る、です。
色はテカテカしたブルー仕上で別部品のノブは真鍮の黒染めでチェッカーが切られていなかったこと、ボルトフェイスにはなぜかセンターに小さなポッチ穴が浅く彫られていたことなど思い出しました。
いや~、人の記憶って、すごいもんですね。
え?速攻捨てましたよ。
だってそんな経緯知らなかったんだから。
接着剤とは何とも情けなかぁー!
サンダース軍曹のようにどっかからパクってくるしかないスネ。
実銃の場合は、バーチカルグリップがぶつけると割れちゃうようです。
確かにスゲェ情報ですね。
この我愚ブログを見ている人だけの特権です。
これ以上の㊙情報を知りたい方はZEKEのブラスを買いましょう。
国際のバットストックの欠点は、ピストルグリップも含めて、仕上げ云々より、形状がブサイクなことだと思います。実物の流れるようなラインが全く再現できておらず、六人部さんらしくないな~と思ったものでした。ストックを実物に交換された方は、形状も含めて実物に近づけるという意図があったのでは・・・・?
お久しぶりです。
>亜鉛製六研M1928は、ロアレシーバーとバットストックが何故かM1タイプで
先に出た鉄製M1A1の余り物で作っていたとのことで、そのような状況だったのでしょうか。
亜鉛1928では無いのですが、M1A1はマガジンが通常の複列弾倉ではなく、
スペーサーがはまっていて一列弾倉だったのが印象に残っています。
国際1928は一列弾倉だったのでしょうか?
>人ぱん様
>大阪万博でMGCはいくらだったのでしょう。
MGC万博特集号のカタログにトンプソンは載っていませんでした。
ブローバックのすべてに17000円と載っていました。
ロッケンM1928はかなり以前(35年以上)に見たのですが、ストックが外れないのとレシーバー上面のボルトハンドル取り外し用の穴がデカかったこととRocken worksの斜体ロゴが変だなという記憶しか残っていません。
それに「あのロッケンが亜鉛製!」という失望感が大きかったですね。
まぁ、満足できるフォルムを持ったトンプの木製部品はありませんが実物もかなり印象に異なるグリップが数種類ありますからね。
なんとか己の印象に近づけようと必死だったわけです・・・昭和の小僧達は。
マガジンですが、ロッケンのモノは以前にreybowさんのブログにM1928の青図が掲載されていて、それによるとマガジンはM1A1と同様にシングルフィードでマガジンキャッチは鉄板プレス製でマガジンの穴ではなく縦長の溝になっていました。
国際のはキャッチは亜鉛なのでマガジンの穴は丸です。
シングルカラアムだったような・・・
六研の亜鉛レシーバーは、金型では無く削り出しで製造されたとどこかのブログで読んだ記憶がありますが・・・・手間のかけられたモデルガンであることは間違いないと思います。
ロッケンの亜鉛トンプは型で抜いた後に機械仕上していたようです。
ガバの1st,2ndやSAAも真鍮材を砂型から抜いたのを機械仕上していました。
ロッケンさんはこの手の加工は得意だったんですね。
このM1928の広告にも全金属製機械仕上って書いてありました。
以前に何故そのような加工を他のメーカーがしないのかとドッカのメーカーの技術屋に聞いたら、亜鉛はスが入りやすいので削ってスがでたらお釈迦になるから、あまりやりたくないのだとか言ってました。
宍戸ジョーがモデルの国際カタログからとったパーツリストですがどうぞ。
M16が国際からマルシンに移ったように、
M1928は中田系のダイカスト屋だったマルシンから国際に納品先が変わっただけで、
話として大した事では無いのかな?と勝手に想像しています。
このコクサイトンプソンですが、これも当時のMGC以外に多く見られた、銃口からガスが抜けないチャンバーシールブローバックだったのでしょうか?
初上陸有難うございます。
記憶が不確かなのですが確かMGCのようなデトネーター式でしたが、ほとんど銃口からのガスは抜けない構造でした。
付属カートは10発付いてましたが、作動をどうこう言う前にバレルが折れるんですよ。
まぁ、子供心にMGC以外はまともに動かないなと感心した記憶のみです。
今こんなの売ってたら裁判沙汰でしょうね(笑)
せっかくガス抜けOKだったのに、MGC以外のメーカーはその辺あまり興味がなかったみたいですね。
殺陣師のお仕事をされていたKKさんは別のようですが。
https://kie.nu/2tKT
ちなみに、ウチのM1928A1ちゃんは、AO入試ではなくS日程でした。
某無可動屋で見た限り圧倒的にサベージ刻印でした。
総じてAOの方が民間製品らしい丁寧さがあり、S刻印はミリタリーっぽい仕上げの粗さがありました。
一つ例に挙げるとトリガーガード内側の面取りがあります。
AOは非常に丁寧にエッジを丸めてありますが、Sは手を切らない程度に取ってあるといった感じです。
えっ、お前のはどっちだって・・・
あの~AO/Sどちらもありますです。
某無可動屋の某Sさんとはバツイチイケメンのジャニーズ系カリスマ店員だった某S氏ですね。
懐かしいなぁ!
今度会ったら宜しく伝えといてください。
「未来はそんな悪くないよ。Hey!Hey!Hey!」・・・ってね!
お初です。ようこそ!
考えてもいませんでしたが国際のトンプのボルトは無可動銃と比べてみたらほとんど同じでした。
円筒部は若干太いのですが長さはピッタリです。
実物から寸法を取ったんでしょうね。
因みにCMCはこの円筒部分が1cm位短くハドソンはもっと短くなっています。
その方が少ない火薬でブローバックさせるには都合がイイですからね。
しかし国際も変なところに拘ったなぁ!
まだまだ何処かで国際トンプソンは生きていますね。写真で見るアクセサリーがとても素敵です。特に実銃用のピストルグリップ、何とも言えない美しいラインです。また割れ防止のないストックも実に良い。記事によれば実物マガジンを装着とありますがマガジン挿入部を加工したのでしょうか。加工であればそれはどんな方法でやられたのでしょうか。やってみたいと思いますのでご教授頂ければ嬉しいです。
コメント有難うございます。
国際トンプは人気があるなぁ!
今だコメントをいただけるとは・・・感謝です。
実物のピストルグリップは無理のないラインで構成されています。
全体には直線的でフィンガーレストが有機的な形態でうまくマッチしています。
僕はトンプの開発時代背景からアールデコをこのグリップに感じます。
白金の東京都庭園美術館(アール・デコの館:旧朝香宮邸)のルネ・ラリック 製作の女神像ガラスレリーフの横において写真を撮りたいと思っているのですが・・・無理だろうなぁ。
それはさておき、スリットの加工ですが数十年前ではっきり覚えていないのですが、確か鉄ノコの歯を束ねてシュリシュリやった記憶があります。
このやり方でいくつか溝を切っていましたからね。
ヤスリだけだと中々削れなかったのです。
こんなもんですが、マガジンキャッチの位置が若干異なります。
これは国際のモノが2.5㎜ほど大きいからでしょう。
ストックはMGC、ピストルグリップはM1の実物、ミリタリーグリップはCMC、シカゴはMGCを装着できるようにしてます。
実際の部品製作は切削屋さんに依頼するのですが各部品の図面を引くのに苦労しました。特にカッツコンは当時実物が見れなかったのでMGCカッツコンを元に雑誌の写真を定規で図り比例拡大し作図。後に陳列された無可動銃のカッツコンを計測したら誤差は微小だったので思わずにんやりした覚えがあります。兎に角トミーガンが好きです。またレポート載せて下さい。
僕もトンプソンが大好物です。
出来ればM1921が・・・
トンプソン好きの多くはサンダース軍曹へのリスペクトから来ているような感じですが、僕の場合はローリングトエンティーのシカゴタイプライターからです。
バーチカルグリップは実物は中々ありません。
幸いに最高の出来のリプロを手に入れているので形状は満足なのですが・・・
ホントのところは実物が欲しいんですよね。
スイベルの付いていないバーチカルとバットストックが・・・