PGM ヘカートⅡ 12.7×99mm アンチ・マティリアル・ライフル
退職の決まった翌日で一緒に飲んでいたヤツには、これからどうするのか心配してくれている。
そんな時にスマホが鳴った。
僕が模型誌のライターを始めた1998年頃の担当編集者だったM氏からである。
その後、他の編集担当に変わってしまいM氏とのからみは無くなり、僕自身もその雑誌のライターから遠ざかっていき話す機会も無くなっていた。
それから10数年たった。
久しぶりの電話の内容は、M氏の務める会社のアニメ系イベントでPGM ヘカートⅡ 12.7×99mm アンチ・マティリアル・ライフルを展示したいのだが、モデルガンかエアガンでその銃がないだろうか?との事。
アニメの中のオネーチャンが使用しているらしい。
僕自身、ヘカートって鉄砲は知っていたが・・・モデルガンには絶対に出てないし、エアガンでも聞いたことがなかった。
無可動銃でも見たことがない。
だいたいオネーチャンの扱えるような重さの銃ではない!
その旨を伝えると「ならば、フルスクラッチで造らないか?」との答え。
最初からその気だったのではないか…と後になって思った。
しかし、その時点でヘカートの形状もスペックもさっぱり知らなかった。
なんとか、なっかな・・・
(その後、ARESでエアガンを出していることを知ったが、これは口径338のミニヘカートと呼ばれるものだった)
ネットでアレコレと資料を集めてみたが、なかなか原寸大の模型を作るれるようなデータはない。
唯一、フランス軍の発行したヘカートのパーツリストが手に入ったのが幸運だった。
都合してくれた彼には最大の感謝をしたい。
とにかくデカくて我家では全体を引きで見ることはできなかったのである!
おおむね実物大である。
なんせ40年以上前のモデルガン設計のように、写真と諸元だけで図面を引いたのだから・・・そんな感じだ。
そこそこ似ていると思うのは、自画自賛なのだが許されたし。
全体はABSの貼り合わせで、銃身は塩ビパイプ・・・いわゆる水道パイプだ。
スコープは編集部で用意してもらったエアガン用である。
ボルトハンドルの直後のパーツはセフティで可動するようにした。
12.7mmのでっかいマガジンは固定しているので外すことはできない。
全体に非常にシンプルな構造だ。
グリップとストックはバルサ材の貼り合わせ。
オイルステインで着色後、クリアーオレンジの塗料を吹いている。
バルサの接着には酢酸エマルジョン系の接着剤(いわゆる木工ボンド)を使用しているが、そのままだと乾燥してからの整形時に接着面へのオイルステインが乗らなくなってしまい、最悪の場合には白っぽいスジが残ってしまう恐れがある。
そこで接着剤に茶系のアクリルガッシュ絵具を練りこんで予防策とした。
バルサの貼り合わせ面にも軽くオイルステインを塗布して万が一に備えている。
そのせいか、成形後も接着面があまり目立たない・・・気がする。
グリップ上部にあるダイアル状のものは、ストック取外し用のハンドルである。
コックされた状態である。
なんかメカメカしい部分だ。
展示用なのでディテール優先で強度的には期待できないが、8mmの鉄製ネジで固定してあるので通常の使用ぐらいは問題なく出来る。
先端のスイベルも同様だ。
全体に軽く作ることを意識したので、そう重くはないがスコープやマウントは軽くは出来ない。
バイポッドはそれらの重さに耐えられるようにしなくてはならない。
かなり金属などで補強をしてはいるのだが・・・
取付基部の二股には2mmの鉄板をABSで挟んで製作したが、やや強度に不安が無くもない。
実際はM60のように脚全体を引っ張って展開するのだが、強度を確保できないのでボルト&ナットでの固定にしている。
ナットを緩めての展開は可能だ。
全くただの飾りである。
調整用の6mmのイモネジも付けている。
実際のアルミ部分とスティール部分とを塗装で塗り分けて表現したが、やや表現不足で恥ずかしい。
マガジンは鉄板プレスっぽさを表現した。
パテを1缶使ってしまった。
そのせいでかなり重い。
その後が大変でリューターで削っていったのだが、部屋中が桜島の火山灰に覆われたような状態になってしまった。
二度とやりたくない!
でも、なかなかイイ感じの出来で気に入っているのだ。
スイベルはなんだか知らないが東急ハンズで見つけたものをネジ止めした。
ネジは内部のフレームに深くねじ込んだので強度はかなり高い。
モノポッドはABSパイプの組み合わせで、これも8mmネジでかなり強固に止めてある。
取外しは可能だ。
ちゃんと木ネジで止めてある。
実際の作業は今年に入ってからだが、とにかく製作が容易で強度を確保できる方法を考えている時間の方が長かった気がする。
久しぶりのスクラッチで非常に大変だったが、いろんな意味で学ぶことが多かった・・・が、もう二度と製作したくない。
でも、この勢いに乗って前から造りたかった、コスモガンを密かに作ってやろうかと企んでいる。
画像でも見事さが伝わってくる素晴らしい出来です。
バイポッドは一瞬M14用か?と思いましたが一から製作とは。
流石です。
実物はもっと凄いんだろうなあ。
15日も開催してくれれば、なんとか見に行けたんですけどね。
完成しました!有難うございます。
この鉄砲は、その形態とは異なり非常にシンプルな構造だったので造りやすかった気がします。
この先、あちらこちらを巡回するのかなぁ?
僕自身、再び会えるのかわかりませんね。
・・・ワンフェスで見れるかな?
実生活ではアレやコレやでメチャ大変で、精神的にはかなりきてまっせ。
たまにはおごるから親不孝通りに行こうぜ! 前橋まで行くぜ。
あと、コスモガンもいいですが、当方はスペース1999のスタンガンも作成してもらいたいと思っております。
とにかくお疲れ様でした。
有難うございます。完成です。
スペース1999のスタンガンって結構アチコチから出ていたでしょ。
前に買うか悩んだ記憶があります、何処のだかを・・・
そういえばもう直ぐ講習だよね。
ドキドキでんなぁ。
さぁて、どれを選ぶのか楽しみですね。
木部がバルサだったとは・・・想像だにしませんでした。
工作過程が見たかったな~。
コスモガンって、ヤマト?
2114年式(100年後の制式w)ですか?
新作では南部97式(2197年制式)拳銃や、メーカー不詳の89式機関短銃(HKっぽい)なんてのもありますよ~。
楽しみにしてます。
ありがとさん!
製作途中は写真撮っている余裕がなくて・・・今回の写真も納品前日に個人的資料にコンデジで取っていたものです。
コスモガンは兄さんの銃・・・バックストラップに「古代守」って入っているのが造りたいチューか欲しいんですわ。
でも97式もエエよね!
誰か設定資料をお持ちでしたらコピーでイイからください!
ここまでオバカなヘカートⅡも日本にコレ一丁だと思われます。
パーツ一つ無いところからのスクラッチなんで、2~3センチの違いは絶対必至でしょうが。
マズルブレーキは泣きました!
手間的にはバイポッドかな。
僕的にも完全なフルスクラッチは初めてです・・・まして超大物!
どうなることかと思いきや、直線的なフォルムなんである意味楽でした。
終わってみるとアレコレやり残した事や手間を惜しんだ部分(自分に嘘をついてた部分)が、悔やまれますがサルッと忘れて仕事探さなきゃ!・・・と現実に戻りますな ハハハッ!! orz
こちらこそ、はじめまして。
このヘカートⅡはSAOを出版している会社より依頼を受けて造ったものです。
すでに納品されてしまい僕の手元を離れてしまっているので、誠に恐縮ですがお譲りすることは全く不可能です。
アニメ?で登場ということでこの流れに乗ってエアガンも出しちゃったりなんかしてほしいものです
(欲を言えばガス&カート式で)
このヘカートⅡのエアガンは出ないでしょうね。
実物がマイナーだし、まず日本のメーカーは無いと思うし、海外メーカーも日本以外で市場を見込めないのでやんないでしょうね。
ただ、このところの我愚ブログでのヘカートの閲覧数が、バイスコアでトップなだけに勘違いしたメーカーがやっちゃうかも!
個人的にはモデルガンで欲しいんですけどね。
これだけは放置ってものなんだか残念です
でも、もし出たら面白いです。
SAOマニアは祈ってください。
予算と納期があれば再度製作も考えます。
一つの考えでは、今回のものと同程度であれば予算50万、納期3か月以上。
また、誠に恐縮な事ですが、今回のものはワンオフで図面と言っても大まかな下図だけで量産する為の機械加工図面のようなものは全くありません。したがって僕自身でないと解釈できません。
その他、パーツリスト等も借物で現在手元にはありません。
マズルブレーキの図面等ありましたらよろしくお願いします。
誠に恐縮ですが今はもう図面はありません。
「PGM hecate」で画像検索すれば、僕が製作時に使ったマニュアルの図面が見つかります。
それを探し出して使ってください。
イラストにPGM Hecate IIを描いておりまして、
このペイジの細部写真が物凄く参考になって助かっています。
銃器・模型にも興味がありまして、
スクラッチでこの様な美しく素晴らしい仕上がり!
良いものを拝見できました(^^)
感謝感激です! ありがとうございます。
初コメ有難うございます。
イラストの参考にされているとは嬉しい限りです。
僕自身もイラストを描くのが好きなので気持ちはよく判ります。
今回のヘカート製作に当たり実物の取材こそできませんでしたが、マニュアルとパーツリストで全体の構成や機構を完全に理解したうえでの作業なので銃を判る人から見てもおかしな部分は無いと思っています。
ただし、製作上ABS素材の強度を考えて脚部等に若干のアレンジもありますが、こればかりは致し方ありませんでした。
返事をありがとうございます!
イラストを描き終えてPixivというサイトに掲示しました。
URLがそうです。
ここのペイジの写真群が無ければテキトーに描いて悔しく思っていたはずです。
本当にありがたいペイジです。
描き終えたのにここの写真群を見て、
30年ほど前に『GUN』誌(スコービオンが特集されてたな)を初めて見た時や、
35年ほど前に初めて買ったコルト357マグナムのモデルガンを手にした時に感じた昂揚感を
毎度あじわっています(^^)
ありがとうございます!!
お疲れ様でした。
最近はしっかりテッポウを描ける人が増えているのは嬉しい事です。
でも、バーチャル世界の中といっても15kg近い銃をオネーチャンが振り回すのは・・・
やはりテッポウの”重さ”を感じるようなイラストがイイですね。
頑張ってください!
なんか架空っぽいデザインですからね。
有効射程は1.8㎞・・・東京駅から秋葉原駅くらいあるんで何処から撃たれたのか知らずに死んじゃいますね。
ただ恐縮なことに現時点では諸事情により、ヘカートの再製作はお受けすることができないのが正直なところです。
申し訳ございません。
あと個人的な質問でウッドグリップの幅ってどれくらいですか?
コメント有難うございます。
ウッドグリップの幅ってレポの中で厚み4センチと入れたのですが・・・
それ以外はもう覚えていませんわ(笑)