"人はパンのみに生きるにあらず" (ケイズ ブログ)

マルシン製 FN M1910 の重大事案

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FN M1910は最も好きな中型オートマティックのひとつだ。
その素晴らしいデザインセンスには100年前の製品とは思えない。

第一次大戦のまさに”引金”となった銃なのだが、僕的にはTVドラマ”非常のライセンス”で天地茂先生が演じる会田刑事が使用していたテッポーってこと、当時なんか憧れたんだよねぇ。
因みに読みはアイダで間違ってもゴウダではない(笑)
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しかしマルシンがこのFN M1910を発売して以来マニアの誰もが憂鬱なことがある。
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このフレームエンドの分割ラインだ!
全く美に対する冒とくに等しく、僕にはこんな暴力は考えられないしありえないことだ。

しかし・・・力のかかる部分なので修正方法に悩んでいたのである。
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・・・ということだったが難しいことは考えずにサラッと修正してみた。

う~ん! カッコエエ‼

やっぱ、こういうのはやったモン勝ちだな。
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今回の修正はインナーフレームを削り、後ろにHW材の板を貼り付けて削り合わせることにした。
ちゅーことでインナーはこんな感じで削ってみた。

しかし、、、削ったら穴が開いてもうた!
仕方ないので1.5㎜のピンを打ってストッパーをこしらえた。
どうせ発火させることはないと思うので強度的には問題ない。
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昔、CMCの金属M1910も鉄ピンがインサートされていたが・・・ブローバックに衝撃には勝てなかった。
ピンには折れて使えなくなったドリルの刃を使っている。
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5㎜厚のHW材。
これもスクラップ材だ。
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こんな感じで後ろに貼り付ける。
勿論、インナーフレームも接着している。
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ここから削り出していく。
失敗は許されない(・・・って、誰に?)
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チビチビ削ってはスライドを乗せて様子を見つつ調整していく。

イライライラッ!!

こういう作業は性に合わないのだ!
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と何とかこんな感じで出来上がった。
光のかげんでは薄っすら線が見えるが通常ではほとんど感じない・・・と思う。
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ほーら、判んないでっしゃろ!
(注意:心が病んでいる度合いによって見えてくる場合があるようです)
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いやぁ~、何十年も気になっていたことが解消されて・・・飯がウマイ!
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マルシンがこのレポを見てアッタマにきて改修でもしちゃったらどうすんべ!
折角の存在感が失われてしまう・・・

相変わらずチッサイ人間なのだ(笑)



by 1944-6-6 | 2018-06-20 20:00 | シリーズ 「拘ってみる」 | Comments(9)
Commented by Schutze600 at 2018-06-20 22:04 x
マルシンM1910は、外観も含めて良く出来たモデルガンだと思いますが、確かに、後ろから見るとがっかりですね。しかし、手間のかかる加工をサラッとやってますね。さすがです!
ところで、M1910のモデルガンで、これまでだれも触れていないトリビア(?)を一つ。
スライド先端のリリーフカットというのか先細りになるカーブの後端の位置問題。元祖のMGCやそのコピー品、CMCに至るまで、そのすべてがフレーム先端と面一です。ところが、今回のマルシンやZEKEのみ、フレーム先端より5㎜ほど前で終わっています。実物はどうかと言えば、マルシン/ZEKEが正解でMGCは間違いです。
ここで問題になるのが、六研。六研は、逆にフレームの先端から5㎜ほど後ろに入り込んでいます。これも間違いだろうと長年思っていたのですが、実は、実物は、1912年製のファーストロットのみ六研のようにフレーム側に入り込んだデザインだったのです。これは、1912年のうちに変更されてマルシンタイプになったのだそうです。サラエボで暗殺者が使ったM1910は、FN社からセルビアに納入されたファーストロットだったようで、現物はウィーンの軍事史博物館で確認できるそうです(以上、Peko's Gun Boxから)。
つまり、六研は、サラエボで使用されたファーストロットを再現していたというわけです。すごいですね~。
しかし、CMCも六人部氏設計だと思いますが、なぜ、フレームと面一にしてしまったのかな?六研と同じで良かったに・・・・
Commented by monco at 2018-06-21 05:08 x
素晴らしい‼️

ところで何時間くらいかかったんですか?
凄いスタミナですね😁
Commented by 1944-6-6 at 2018-06-21 14:17
>Schutze600 様
確かに貴殿のリサーチのとおりだと思います。
ゆえにMGC系の380はスマートな印象で実物はもっとポチャな感じに見えます。
フレーム先端も実物は思った以上にボッテリしていますが、CMCなんかはシャープで綺麗ですね。
トリガーガードもモデルガンは薄くてこれまたシャープさを出しています。
しかし・・・僕なんかはこのラインにならされているので無可動実銃なんかの380を手に取ると違和感を感じえません。
刷り込みってやつですね。
今回の1910もスライド先端部やフレーム先端部にはかなり手を入れてらしくしているのですが気づく人はいません(笑)
Commented by 1944-6-6 at 2018-06-21 14:27
>monco 様
ここに至るまでゆうに5年はかかっています。
この手のカスタムは作業自体よりそこに至るまでの試行錯誤や材料調達(今回も5㎜厚のHW材)に時間がかかるのです。
でもその時間が一番楽しくてイロイロやってみちゃうんですね。
勿論その中には闇に葬られたものも少なくありませんが次へのノウハウになってます。
なので出来上がると飽きちゃうものが多いんですよ(笑)
Commented by ファイアーブルー at 2018-06-22 16:38 x
こんにちは。
いつ見ても貴殿の職人魂というか工作工芸技術にはシビレます。
工作音痴の私には100年かかっても無理です。(笑)
Commented by 1944-6-6 at 2018-06-22 17:11
>ファイアーブルー 様
こんな事しか出来ないダメなジジイですが、みんなに褒めてもらえるとちょっと嬉しいですね。
Commented by イチロー at 2018-06-23 06:56 x
やりましたね。モデラーとテッポ好きの二つのDNAの成せる業。マルシンの1910は80年代でしたかねえ。ABSのキットの発売を待って買いました。後姿には衝撃受けましたが、しかたないかなあ・・・。と思いつつもコクサイの1910は、分割線なしでしたねえ。分解したらぽきりと折れそうで怖かったけど。この一点についてはコクサイの勝ち。私は車補修用パテぶち込んで磨いて色塗りました。でも、そこだけ塗装が嫌なんで戻してしまいました。腕がないとだめですねえ。最終的には、後姿断念の上ラッカーシンナー+ピカールの混濁液で磨き倒して仏壇以上のぴかぴかにしました。ところがそれがあだとなってヒケが、目立ちまくってしまうことに。今でもそのままでとってます。青春の思い出のかけらの一つ。
Commented at 2018-06-23 14:37 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 1944-6-6 at 2018-06-23 17:22
>イチロー 様
発売以来ずっとずっとずっと考えていて、やっとやりました!
長かったなぁ。
でもやってみたら案外簡単で・・・猪突猛進案ずるより産むが易しってことですね。
でも発火は危険そうですが(笑)

取説は何かの機会にお送りいただければ幸いです。
見たことないんで楽しみ!です。