"人はパンのみに生きるにあらず" (ケイズ ブログ)

New England small Arms製 B.A.R M1918A2

New England small Arms製 B.A.R M1918A2_e0162444_20362987.jpg
第一次大戦末に実戦投入された米軍の自動火器がB.A.R(Brownig Automatic Rifle/発音はビー.エー.アールでバーではない)である。
ただし実戦配備のすぐ後に大戦が休戦となってしまったが、それなりの高評価はあったようだ。
米軍は第二次大戦直前の1930年代にそれまでのM1918に幾つかの改良を加え、M1918A2としてモディファイした。
そして1940年代初めにニュー イングランド スモール アームズ社(以下 NEと表記)とIBM社に対してM1918A2の製造を発注している。
その2社の製造総数合計は208,380挺で、NEがその約90%の188,380挺を製造している。
第一次大戦でB.A.Rを製造したのはブローニング社、コルト社、マーリン-ロックウェル社、ウィンチェスター社、第二次大戦後の1950年代にロイヤル・マックビー・タイプライター社が生産している。(R.M.Tのトリガーフレームは鋳物製が多い)
New England small Arms製 B.A.R M1918A2_e0162444_20362976.jpg
写真のM1918A2 B.A.RはNE製で208,380挺のうちの1挺だ。
間違いなく第二次大戦中の製造である。
全体にパーカライジングされた感じがある意味近代兵器のイメージだ。
WW1当初採用のM1918 B.A.Rはパーカライジング処理技術が確立されておらずブルー仕上げだ。
1930年代にA2タイプとしてモディファイされた際にパーカライジング処理がされたようである。

ちなみにB.A.Rはクローズド・ファイアと思われている方が多いがオープン・ファイアなのである。
したがってこの状態では発砲できないのだ・・・って、無可動銃じゃあ発砲できないが(笑)
New England small Arms製 B.A.R M1918A2_e0162444_20363642.jpg
初期のM1918のリアサイトは通常状態(サイトリーフを倒した状態)でもM1ガーランドのようなピープサイトだが、1940年代以降に製造されたA2タイプはUカットのオープンサイトになっている。
New England small Arms製 B.A.R M1918A2_e0162444_20363069.jpg
コルトとウィンチェスターが初期に製造したM1918にはB.M.R(Brownig Machine Rifle)の刻印が打刻されているものもある。
レシーバー上部の出っ張った部分は内部にロッキング・リセスがあり、その部分のカバーのようなものは上部からリセス部分の加工をした際の加工穴を塞ぐ蓋だ。
New England small Arms製 B.A.R M1918A2_e0162444_20363585.jpg
シアー自体は取り外されているが旧加工品には多くのパーツが残っているのは嬉しい。

第一次大戦のM1918はセミ/フルのセレクティブ・ファイアだが、M1918A2はスロー/ファースト(遅/速)の切り替えだけで単発射撃はできなくなっている。
New England small Arms製 B.A.R M1918A2_e0162444_20363672.jpg
写真のバイポッド初期のタイプ。
上下調整用のミッキーマウス・ネジがパッドに近い下部にあるが、後期型はそのネジが上部にあり30口径M1919A6マシンガンと共用になっている。
New England small Arms製 B.A.R M1918A2_e0162444_20363682.jpg
ショルダーヒンジはいかにも分隊支援火器っぽい。
スィベルの後ろの穴はモノポッド(単脚)用のものだが、あまり使用されないようでその後に無くなっている
New England small Arms製 B.A.R M1918A2_e0162444_20363774.jpg
銃身のプルーフ・マーク(P)が見える。
よくキャリング・ハンドルが銃身に取付けられているイメージがあるが、大戦末に採用されたアクセサリーなので戦中の写真ではほぼ見ることがないようだ。
映画「プライベート・ライアン」でも取り付けられていないが、銃身に取り付けて擦れた跡が光っている。

ということで大戦を気どる僕は付けないのだ(笑)


このB.A.R M1918A2は明日出品予定しちゃいます。
なんといってもジジイには重すぎるんです(笑)

出品しました。
この無可動銃は25年くらい前にエリカクラブで購入したものです。
当時の購入価格は27万円でした。
まだ、Sレジメンタルスが東京にお店を出す前ですね(笑)


by 1944-6-6 | 2017-08-21 18:00 | 無 可 動 銃 | Comments(13)
Commented by k at 2017-08-21 18:59 x
すごい!糞ガンプロなんて足元にも及ばないレポートに感謝。
Commented by Schutze600 at 2017-08-21 19:05 x
B.A.Rと言えば、コンバット!のウイリアム・G・カービーですが・・・ホワイトロックの誤訳で有名になった額田やえ子氏の翻訳では、自動小銃となっていましたが、英語音声を聞くと、ちゃんと、ビー・エイ・アーと発音しています。逆に、B.A.Rを自動小銃と翻訳されたことに感心しました。たぶん、当初何と言っているかわからず、米軍関係者に確認されたのだろうと想像しています。ホワイトルークも確認すればすぐわかったと思いますが・・・
B.A.Rは、1945年3月末からの沖縄戦のフィルムにも数多く登場しますが、現場で改造されたのか、反動を抑えるためにフォアエンドに垂直のグリップを追加しているバージョンが散見されますね。
Commented by やまねこ at 2017-08-21 21:18 x
k氏

ついにビー・エー・アールを…ですか(たしかに重いですよね)
カービーは、「アルミ製?」を振り回していましたが(笑)

初期型バイポッド、ロルマンディー、共感しました。

Commented by 1944-6-6 at 2017-08-22 15:42
>K 様
有難うございます!
なんといってもコンバット!から米軍に入った人にはマストアイテムですからね。
重いけど綺麗な銃です!
Commented by 1944-6-6 at 2017-08-22 15:51
>Schutze600 様
誤訳ってマニアのツッコミどころとしてまだまだ健在ですよね。
ヘッドスペースを”頭上の空間”と訳していたのには笑いましたが英語のわからない僕らがバカにされているのでしょう(笑)

昔、手に入れた1918年製B.A.Rの弾帯に付いていた鉄のカップの得体が知れないで・・・
後年、M1918 B.A.Rのバットストックを入れておくところと知りましたが、A2はショルダーヒンジがあるので入らないし・・・
一度は入れてみたかったですね(笑)
Commented by 1944-6-6 at 2017-08-22 15:56
>やまねこ 様
25年連れ添ったB.A.Rともお別れの時が・・・ウウウゥ!
まぁ、こちらの身体が動くうちに良い人のところに保管場所を変えようかと思っています。
あと50年は生きられないので細々と終活をば・・・ってこと?(笑)
Commented by イチロー at 2017-08-25 21:33 x
92年頃でしたかねえ。エリカクラブが無可動をたくさん入れ始めたのは。その前?後にハッコー商事、ファーイーストガンセールス。レアーズも先立って販売してましたかねえ。エリカに卸していたのはシカゴだった記憶が…。93年~95年ごろのシカゴ社の無可動は他社と比べ、また今の価格と比べると格安でしたねえ。大阪店開店間なしに行ったら、初回入荷のM1トンプソンは全部業者(店舗、流通)が買っちゃったとか宮崎さんが申し訳なさそうに言ってました。あの頃は元気だったなあ。でも、世紀をまたいで、ずいぶん楽しい思い、ワクワク感を持つことができましたねえ。さて、現実に目を向けると貴兄と同じく次の所有者に渡すことも考えないといかんですねえ。物欲と性欲がまだ残っているのがペケポンです。いつか手放す。悲しいけどコレクションの運命コレクターの定めですねえ。棚に並んだMP43、MP43/1、MP44も、パッと見たら同じてっぽー!!でも時間とお金かけて集めたんだなー。と感慨にふけります。小出しに売って老後の生活費に充当かあ。どれが最後まで残る1丁なんだろう?バーチカルG付のM1928かなあ。突然死んだらどうしよう?
Commented by 竹野塚ベレッタの思い出 at 2017-08-26 13:39 x
ヤフオク出品が消えてしまいましたね。入札しようとしていたのに残念でした、取り下げなさったんですね。残念でした。
Commented by 1944-6-6 at 2017-08-26 14:46
>竹野塚ベレッタの思い出 様
14:42現在、B.A.Rは出品されていますよ。
勿論、取り下げてもいませんし・・・???
Commented by 1944-6-6 at 2017-08-26 14:54
>イチロー 様
本物のテッポーに狂喜乱舞したあの日が懐かしい!
たしか同じような時期に”ヘアヌード”も解禁されて・・・見たことも無いものが世間にあふれて脳内を戦慄が駆け巡っていきました。
テッポー買って一発抜いて、テッポー買って一発抜いて、テッポー買って一発抜いて
お金も精力もすべて吐き出したあの頃・・・プリーズ カム バック !
Commented by 竹野塚ベレッタの思い出 at 2017-08-26 14:55 x
失礼いたしました。ありました。ダメもとで入札してみまーす!
Commented by papanch at 2017-08-27 09:06 x
ちょっとしたミスを見付けました。Sレジメンタルスではなく、Cレジメンタルスです。
Commented by 1944-6-6 at 2017-08-28 04:25
>papanch 様
ありゃ~ついにバレました!
しまったぁ・・・