"人はパンのみに生きるにあらず" (ケイズ ブログ)

S&Wのトリガーメカニズムへの拘り

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マニアの方ならよーくご存知のS&Wのトリガーメカニズムをレポする。
写真のモノはCMCのフレームにコクサイのハンマーとタナカのトリガーを組み込んだものである。

よく知られているように、S&Wリボルバーのダブルアクションはトリガーの2か所がハンマーを起倒していくのである。
上の写真の2色の矢印で表しているところだ。
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トリガーを引き始めると、まずトリガーの赤矢印部分がシアーを下から押し上げハンマーを起こしていく。
この時点では黄矢印部はハンマーにふれていない。
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更にトリガーを加圧していくと赤矢印部分はシアーから外れるが、その極少し前に黄矢印部がハンマーと接触し始めてハンマーを起こす仕事をバトンタッチしているのだ。
ここが凄いところだ。
このタイミングが狂うと、トリガープルに影響が出て引っかかったり重くなったりする。
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完全に赤矢印はシアーから離れているが黄矢印はまだハンマーを起倒しつづけている。
これでシングルコックに近いところまでハンマーが起きていく。
昔のモデルガンはこのS&Wメカが再現されていなかったのだ。
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この時点でハンマーはトリガーの黄矢印部分から完全に離れ、ハンマーはレットオフし撃針はプライマーを叩くって訳だ。
この一連の作業中にシリンダーを正確な位置まで回転させロックしておくこともトリガーだけでおこなっている。
生真面目な働き者だがもの凄く単純で合理的な動きなのだ。
そこが好きなんだな!
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CMCのM29は設計が古くそのメカが全く再現されておらず、結果ハンマーの起倒角も浅くシリンダーが回り切っていなかった。
まぁ、CMCだけじゃなくMGCをはじめ各社がそうだったが・・・
CMCの44マグナムのフォルムは力強くてすきだったがこの点が気になっていたのだ。
今回、各社の部品を使って再現できたことは非常に嬉しいことである。

何故タナカのトリガーを使うかって・・・
ワイドタイプのターゲットトリガーだからだ。
コクサイのはセミワイドのスムースだからM29には似合わないってことになるのだ。



by 1944-6-6 | 2016-08-18 23:00 | シリーズ「拘ってみる」 | Comments(2)
Commented by monco at 2016-08-19 11:32 x
僕がこのメカニズムを知ったのは、月刊ガンでの記事でした。
タナカのM29も全く同じ形状ですね。
CMCの改良版。良いなあ!
Commented by 1944-6-6 at 2016-08-19 18:38
>monco 様
僕もGun誌のレポートで知って、コクサイのニューハイパトあたりで実際に確認しました。
現状ではタナカが最高と思いますが、やはり金属の持つ "重さ" はイイですねぇ。
改良CMCも素敵ですよ!