MG2だった!
MG42とのことだったがその後の整備中に希少なMG2だと判った。
初期のG3ライフルの無可動をお持ちのマニアなどには共に飾りたいアイテムだ。
ご存知ない方もおられようが "MG2 Machinegun" とは、戦後ドイツがかつての連合軍や被占領国から返還されたMG42を7.62㎜NATO仕様に改修した機関銃なのである。
因みにMG1はMG42をたたき台に7.62㎜NATO仕様に再設計された銃である。
MG1/MG2共に使用弾薬は7.62㎜NATO弾で、給弾にはMG34/42でも使われていた連結された非分離式の50連メタリック・ベルトのみを使用するようになっていた。
その後に正式化されるMG3は分離式のメタリック・リンク(M13リンク:米軍のM60のもの)が使用できるように改良されNATO諸国での共用(FN MAG/M60)が可能になったわけだ。
今回の出品のものはその希少なMG2であったのだ。
しかし、フィードカバーとフィードトレイがNATO弾用に完全に新造されている。
一つ一つのリンクが小さなスプリングで連結されていて分離できない。
基本的に50連発だがベルトどうしを繋げることが出来るので長くすることは可能だ。
対して8㎜モーゼルは7.92㎜×57㎜だ。
薬莢の長さの差は6㎜だが弾頭重量の差(NATOが9.7g、モーゼル12.8g)があり、装弾1発だとモーゼル弾のほうが8㎜ほど全長が長くなる。
もしかしたらMG1からの流用なのかもしれないが・・・
無可動銃(Deactivated Gun:直訳すると非活性化された銃 )の基準も国によってかなり異なり、撃てなければ良い場合もあれば動く個所を全て溶接で固定する場合、マガジンを完全に使用できなく一部をカットもしくは潰す等々いろいろあるらしい。
このMGもどこかの国でDeactivated Gunとして作動部分を固定して販売されていたものを、再加工して日本の基準に合わせて輸入されたモノのようだ。
その時にこのような発砲に関係ない箇所の溶接を削除して、商品価値を高める加工したのではないかと推測される。
したがって、この稚拙な溶接削除は日本のマニアとかが行った事ではないのでご安心を。
全くセンスのない作業が驚くほど見た目を悪くしているが、銃に愛のないジンガイの作業なんてこんなもんなのだろう(怒)
輸入時期としてはマスプロ的に無可動銃が入りだした、かなり初期のアイテムで今の基準では輸入が難しい "旧加工" と呼ばれるタイプだ・・・と言って違法品ではないぞ!
旧加工品は今やマニアの間では神格化された限定アイテムなのだ(笑)
リューターに細かい砥石を付けて慎重に擦っていけばかなり印象も変わってくるのかもしれない。
お手軽に友人のMG42やM53からパクってくる・・・なんてマニアとして "ゲス" なことだけはしてはいけない(笑)
銃身も内部を溶接で塞いだうえで、取外せないようにフレーム側に溶接してある。
トリガーを引くとシアーの下降を指に感じられる。
全くもって非常にささやかなことだが、おバカなオヤジーにはこれが嬉しく堪らないのである。
なんだか嬉しいのだ。
シャープなシルエットは木製のものとは比べ物にならないほどカッコイイのだ。
何処となく ドルフィン って感じだ。
上部にNATO軍のマークと部品番号が打刻されている。
他の部分にもNATOのマークが打刻されているが、これが戦後ドイツの証なのであろう。
MG2を出品しました。
http://page11.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n181664344