"人はパンのみに生きるにあらず" (ケイズ ブログ)

ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン

ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16290004.jpg
40年以上にわたって分解/整備してきたモデルガンのM1911。
古いモデルガンしか知らない友人などは、分解が実物と異なるのに気づいていない。
そんな人の為に解かっているが、ガバの分解をやってみようと思い立った。

まず、当たり前だがマガジンを抜いておく。
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16285907.jpg
最近のモデルガンは精度が良くバレルブッシングが結構きつい。
こんな工具を使うのも一つの”手”だが、気を付けないと傷を付けてしまうので注意が必要だ。

この時にどちらに回すかで今のモデルガンを知っているか実物を知っているかが判ってしまう。
いきなり反時計方向に回したら・・・古いモデルガンしか知らないことがバレてしまうのだ。
まぁ、若いマニアには何のことやらかも知れないが。
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16285916.jpg
何食わぬ顔をして時計方向に回し、レコイルスプリングガイドとスプリングをフリーにする。
それが「判っているヤツ」なのである。
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16290010.jpg
そのままの状態でスライドストップをはずす。
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16290814.jpg
右側からペコって押して引き抜く。
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16290874.jpg
スルスルっとスライドが外れるのだが、この時に銃をつい上下逆さまにしてやってしまうと「ブリーチブロックは無いよ」と思われてしまう。
初期のGM1からガバを知っている方にこの傾向が強い。
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16290884.jpg
レコイルスプリングとガイドを外す。
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16290864.jpg
ここで初めてバレルブッシングを反時計方向に回し・・・
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16290878.jpg
前方に引き抜くのだ。
スライドを外す前にバレルブッシングを外さないのは、実物の場合バレルとスライドの精度が高くスライドに対してバレルの角度がずれるとバレルが動かなくなってしまうからだ。
その為、バレルブッシングをガイド代わりに最後まで付けておくわけだ。
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16292032.jpg
するとバレルは前に抜けてくる。
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16292172.jpg
M1911A1の通常分解。
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16292238.jpg
今のフルサイズ・ガバはスライド内のバレルが収まる部分が丸く加工されている。
勿論、実物同様だ。

しかし、ここは金型では抜けない構造なので、後加工で削っていく。
ただし、高比重のタングステンがフィラーとして入っている場合は鉄の刃物だとすぐにダメになるらしい。
タングステンが硬いからだ。
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16292948.jpg
さて、昔のガバのモデルガン(GM1)の通常分解をしてみよう。

まずマガジンを抜いてから。
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16292226.jpg
バレルブッシングをいきなり反時計方向に回してレコイルスプリングプラグとスプリングをフリーにする。
バレルブッシングは逆(時計方向)には動かない。
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16292958.jpg
スライドストップをはずして・・・
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16292900.jpg
前出のブリーチブロックを外してから(逆さまにすると外れる)バレルを後ろに抜いていく。
これはショートリコイルしないモデルだが初期のタイプも変わらない。
他のオートは、ほとんどこのタイプだが実物のガバでは絶対にできない芸当だ。
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16285913.jpg
何と言ってもオヤジーには大きい存在のMGCのGM1、現在のモデルガンって感じのエラン。
どちらがイイかって・・・どっちもイイのだ。
しかし、このGM1よりエランのほうが重量があるのには驚く。
そこにも高比重プラスティックって現代のテクノロジーがあるわけだ。
ガバの分解「昔と今」 MGC/エラン_e0162444_16292139.jpg
インナーシャシーも無いし良い眺めである!





by 1944-6-6 | 2016-01-07 22:30 | モデルガン そ の 他 | Comments(6)
Commented by KAZ at 2016-01-08 21:30 x
私の場合はGM2やGM5世代なので、
リコイルスプリングが付いたままのスライドを引いて押さえながら
スライドストップを外す、というのがガバ分解の常道でした。
Commented by 1944-6-6 at 2016-01-08 23:18
>KAZ 様
い・言える・・・!
でも、GM5には銀色のパイプでプラグを回したような・・・
スライド外した後でしたっけ?
Commented by KAZ at 2016-01-09 00:18 x
GM5のプラグは、そのままでは前方に抜けないように
スライドに食い込んだツメがあるので、まずプラグを前から押して
ツメを浮かせ、180度回してから前に抜く方式ですね。
Commented by 8908 at 2016-01-09 00:51 x
「リコイルスプリングが付いたままのスライドを引いて押さえながら」という方法は、雑誌レポーターの方もHP(レミントン・ガバ記事)で紹介されていますね。片手でスライドを押さえるのに「根性入れて~」だそうです(笑)
GM5のプラグにスライド下部と噛み合う突起が付いたおかげで、分解時にプラグとスプリングを飛ばすことがなくなりましたね。
GM1がショートリコイルから固定バレルに変わってから、スライド閉鎖時のショックがスライドストップ軸とバレル側の穴に集中するようになってしまい、軸が曲がったり、バレルとフレームの穴が楕円形に変形してしまいました。
ショートリコイルでバレルが上下動してスライドを上に押し上げることによるブレーキ効果がなくなってしまったわけかな?
Commented by 1944-6-6 at 2016-01-09 15:02
>KAZ 様
CMCの2ndモデルやGM1でぶっ飛ばしたことがあります。
恐かったなぁー!
当時、埃及製はフランジが付いていて「さすが!」と思いました。
その点GM5はその後の展開に貢献していました。
GM2はウエイトとして賢いと思いましたよ。
Commented by 1944-6-6 at 2016-01-09 15:07
>8908 様
僕も昔から「リコイルスプリングが付いたままのスライドを外す」はやっていましたが・・・
エランやZEKEのガバを扱う時には危険がいっぱいです。
かといってバレルブッシングを回すのも傷や塗装に影響が・・・
ただしスプリングが実物より弱いので根性入れるほどではないですが(笑)

GM1はガイドの折れたバレルが多いですね。